2014年12月22日月曜日

野々市シャルソン開催ストーリー




シャルソンアドベントカレンダー12月22日(月)は野々市シャルソン主催の松田が担当します!



ここで、2014年9月6日(土)野々市シャルソン初開催にまつわる経緯を綴ってみたい。

 私が勤める野々市市情報交流館カメリアでは市民のメディアリテラシー向上を目的として様々なパソコン教室を行っている。キーボード操作などからはじめる超初心者向けのコースから、officeソフトの入門講座を中心に展開。市民のニーズを汲んでSNSの活用のミニ講座も実施してきた。そんな中、受講された方から「SNSの使い方はなんとなくわかったけど、んで、何が楽しいの?」という言葉があった。確かに、基本操作を学ぶ場の充実だけにとどまらず、楽しみながら活用するきっかけが必要なのではないかと考えたのが、シャルソンを開催するに至る動機だった。

 SNSに触れながら楽しみ、楽しみながら野々市の魅力を発見・発信できる企画について、いくつかアイディアは出したものの、どうもピンとこない。煮詰まっていたころに、友人であり市内で喫茶店を経営する五十川氏に相談したら、「それならかなりおもしろい人が、おもしろいイベントやってるよ!」と教えてくれたのがシャルソンである。そして、その場でスカイプを通してシャルソン創始者の佐谷さんとお話しさせていただき、聞けば聞くほどこのイベントは絶対におもしろい!と確信した。

 そもそもシャルソンとは、ソーシャルマラソンの略。参加者はおそろいのTシャツを着てまちへ繰り出し、おいしいお店、美しい景色、出会った人々などおもしろい体験をFacebookなどのSNSにアップロードして情報を共有する。通常のマラソンのようにタイムや距離を競うのではなく、おもしろい体験を競うというもの。コースも自由・移動手段も自由という、これまでのマラソンイベントにはない、ゆるさと情報発信が特徴。特筆すべきは、マラソンの給水ポイントになぞらえて設けられた給○ポイント。カフェなら給コーヒー、カレー屋さんなら給カレーというように、市内の店舗にご協力いただき、参加者はそのお店のサービスやアイディアを活かした特典を受けながらまちを巡る。そしてゴール後にはアフターパーティを開催し、給○協力店舗を含めた参加者同士対面で、発見したまちの魅力を発表し、更なる交流を深めるというもの。

 シャルソンを地域で開催するにあたって、他地域でのシャルソン参加が推奨されている。野々市シャルソン初開催に向けて、今年の5月に行われた安曇野シャルソンに参加させていただいた。単身での参加だったが、到着して早々、前日の前夜祭から参加させていただいた。地元の食を囲んで地元の方とワイワイ。安曇野シャルソン主催者の篠原さん中心にみなさんにあたたかく迎えていただので、初めて訪れる地なのに、初めてな気がしなかった。

 そして、安曇野シャルソン当日。広大な安曇野、どうやってまわろうかと思案していたところ、たまたま最初の目的地が一緒だった、東京から来られたお二方とご一緒させていただいた。北アルプスの稜線を横目に、安曇野ののどかな田園風景を楽しみながらのまちあるき。ちょうど田植えシーズンでもあり、農家の方に目的地までの近道や見どころを聞きながら地元の方との交流も楽しめた。大王わさび農場や八面大王足湯、道祖神など、地域の歴史や文化に触れ、スイス村や名物の蕎麦屋など、地元の食の豊かさを知ることもできた。

 また、おそろいのTシャツを身に着けていることで、給〇ポイントの店員さんや参加者同士が出会った際に気軽に声をかけあい、親近感や一体感が生まれていたように思う。最後のアフターパーティではそれぞれのおもしろ体験を発表してシェア。あっという間に宴は終わった。翌日はまだ見たりなかった場所を巡り、シャルソン初参加の興奮冷めやらぬまま、帰路についた。

安曇野シャルソン

 早速、野々市シャルソン開催に向けた準備を急ピッチで開始。市内の商工会や大学のプロジェクト、ITの利活用を進める任意団体や前述の五十川氏などにも参画してもらい、野々市らしいシャルソン開催に向けて走り出した。歴史の風情が今なお色濃く残る、北国街道のおまつり「野々市の市」の日に合わせての開催を決定。野々市の市実行委員会のみなさんにもご協力いただいた。
 
 

 準備を進めるにあたって、まず大変だったのは給○ポイント店舗の交渉と取材。そもそも「シャルソン」とは?の会話で、店舗に説明に伺っても、「え?シャンソン?」、「え?何?ギャルソン?」と、最初は中々通じない。真夏の炎天下という気候も手伝って、外回りは思いの外堪えたが、お話をする中でシャルソンの発想をおもしろがっていただき、また、じっくりとお店の方の想いやこだわりを聞くことができたのは、自分自身、まちを知る良い機会になった。

 給〇ポイント・参加者申し込みが増えるにつれ、着々と準備も進む。学生からは、実際に何度も市内を巡り調査して、学生の目線でおすすめしたい箇所をまとめた「ルートマップ」や「見どころ紹介」、写真とクロスワードの答えをヒントに名所を探す「フォトラリー」、給〇ポイント情報などを遠隔で紹介する「デジタルサイネージ」などの提案があり、どれも実現した。また、シャルソン中に道に迷ったら目的の給〇ポイントまでルート案内してくれる「ナビアプリ」の開発は、野々市にまつわるコンテンツ制作等を行う市内のボランティア団体が担当した。

 そして、いよいよ野々市シャルソン初開催。この地でのシャルソンをより楽しんでもらうために、前日に事前説明会を実施してシャルソン創始者の佐谷さんにお越しいただき、シャルソンの魅力を熱く語っていただいた。佐谷さんのお話や各種企画の解説を聞いて、初めてのことで不安げな参加者も、「なんか楽しそう!」という表情に変わっていった。

 当日は最高のシャルソン日和。文化会館フォルテを出発した参加者から次々と投稿が。のっけからラジオに生出演していたり。。お寿司つまみながら上等のお酒を呑んでたり。。私はしばらく事務所に待機していたが、みなさんの投稿を見ていると居てもたってもいられなくなるほど、おいしそうで楽しそうな投稿の連続。当初、トラブルはないだろうか、給〇ポイントバランスよく訪問されるかな、SNS慣れていない方の投稿は大丈夫かしら・・などなど、初開催ということもあり事前の不安は尽きなかったが、そんな心配は杞憂に終わった。

野々市シャルソン アフターパーティ


 当日(事前説明会含む)の詳細はここではいよいよ書ききれないので、情報交流館カメリアの記事をご覧いただきたい。

 以下は、開催後のざっくりの所感。

・参加申し込みの出足が遅く、当初集客に苦労したが、最終的には給〇ポイント、参加者共に想定数の集客が得られた。
・前日に事前説明会を開催し、シャルソン創始者の佐谷さんをゲストにお招きしてシャルソンの楽しみ方講座を実施したことで、参加者のシャルソンへの理解が深まった。
・ルートマップの作成やフォトラリー・クロスワード、デジタルサイネージの実施など、学生のアイディアとマンパワーがあったからこそ実現した独自企画があり、野々市らしいシャルソンとなった。学生からは、野々市を深く知る機会になり勉強になったという嬉しい声も挙がっていた。
・参加者からの巡り方がわからないという声を受けてフォトラリーを企画したが、実際にシャルソンが始まると希望の給〇ポイントを回るだけで精いっぱいで、フォトラリーに参加する余裕がない参加者が多かった。
・学生や任意団体、商工会、野々市の市実行委員会が協力したことで、独自企画やアプリ制作も実現した。また、単独開催ではなし得ない層やコミュニティへの告知ができた。
・他地域に比べて、参加者数に対する給○ポイントの設定が多めだったが、給○ポイントが野々市の市の会場に集中していたこともあり、参加者はバランスよく回れた様子だった。給〇ポイント協力店舗の満足度も高かった。
・参加者、給〇ポイント協力店共に、最初はなかなかイメージがつかめなかったが、実際にやってみてようやく仕組みやおもしろさがわかったという声が聞かれた。
・本町通りの催しである「北国街道野々市の市」実施日に合わせたことで、シャルソン運営側としては見どころが充実し、市の市実行委員会としては、コンテンツのきめ細かな告知にも繋がり、お互いの相乗効果が生まれた。
・学生から80代の高齢者まで幅広い層が参加するシャルソンとなった。
・普段、SNSに触れる機会の少なかった高齢者層にも、SNSの有効な使い方を楽しみながら知ってもらう機会に繋がった。
・当初の狙い通り、野々市の魅力発見及び情報発信、参加者のソーシャルメディア利活用能力を高める機会に繋がった。
・給〇ポイント参加店から、次回の開催があれば更に工夫をしたい、参加者からも、是非来年も参加したいという要望があり、継続開催を望む声が多かった。
・市内全域でシャルソンを開催するには、野々市市はコンパクトでちょうどよいサイズだと感じた。
・同月にかなざわシャルソンが開催されたこともあり、金沢シャルソン主催関係者が野々市シャルソンに参加、野々市からは私や学生がかなざわシャルソンに参加し、お互いの開催を盛り上げ、相互交流、情報発信にも繋がった。
・初開催ということもあり、メディアの注目も浴びた(北国新聞、北陸中日新聞、朝日新聞(密着取材)、NHK金沢放送局(密着取材)、金沢ケーブルテレビ(密着取材))。

 「SNSをもっと楽しく活用してほしい!」、「参加者のみなさんが感じる野々市の魅力を広く発信してほしい!そして、野々市の素敵なところを多くの方に知ってほしい!」という想いで実施した野々市シャルソン。ルートマップや専用アプリを使いながら、SNSの投稿や偶然出会った人からの情報をヒントに辿る、リアルロールプレーイングゲームのようなワクワク感もあった。初開催を終え、野々市でもシャルソンファンが確実に増えたと思う。地域のおまつりとの連携がお互いの相乗効果を生んだように、市内の催しや動き、人と連動していくことで、地域のリソースを掛け合わせてポジティブな関わりを持ち、今後も野々市らしいシャルソンの開催に繋げていけたらと思う。

 地域の魅力を知り、発信し、様々な人の出会いが生まれるシャルソン。安曇野シャルソンもかなざわシャルソンも「参加者」として体験させていただいて、正直、相当楽しかった。その地域の宝探しをしている気分になり、単なる観光でもない、日常でもない、一味違った体験が得られる。ので、元々興味をもっていた場所やお近くの地域でシャルソンが開催される場合は、ぜひ参加されることをオススメする。もちろん、野々市シャルソンも。
かなざわシャルソン

 佐谷さん曰く、「シャルソンには参加者の5~10倍の方が関わる」とのこと。野々市シャルソンを盛況の内に終えることができたのも、ひとえに、ご参加いただいたみなさま、給〇ポイントのみなさま、ご協力いただいた団体のみなさま、シャルソン仲間のみなさま、そして世田谷からお越しいただいた佐谷さんのご協力あってこそです。この場を借りて、本当にありがとうございました!

☆主催 (公財)野々市市情報文化振興財団
☆協力
・ カメリア・パルの会(給〇ポイントナビゲーションアプリ制作)
・ 北国街道 野々市の市(給〇ポイント協力等)
・ 金沢工業大学 CirKitプロジェクト(デジタルサイネージ設置、給救(ヘルプポイント)設置、SNS操作方法の解説)
・ 金沢工業大学 Toiroプロジェクト(ルートマップ作成、フォトラリー・クロスワード作成)
・ 野々市市商工会(給〇ポイント募集)
・ Spending Nonoichi(SNSでの情報発信、Tシャツデザイン、当日進行補助)
☆後援 野々市市
☆監修 ご当地シャルソン協会




 以上、走り書きですみません。取り留めもなく綴ってみました!(*^^*)

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